愚か者死すべし

 人間が資源であると見るならば老人も資源である。近い将来の日本経済の一部を老人に関する産業が担うことは明らかである。それは今日あるような介護や保険等にとどまらず、長命化や若年化や不老化処置を意味するであろう。その種の医療は政治的状況が許認可を大きく左右するが、規模の大きな工業国では社会規範が曖昧な日本がこれに適していると強弁できる。
 従ってこれを実現するために、治験を高速化し医療制度を改編し税制面で優遇し科学技術政策においてこれを大々的に表明しそれに伴った予算を配分する必要がある。長生きしたかったら、天下りとか言ってる場合ではない。本当にご高齢の方は間に合わない蓋然性が高いが、もう少し下の年齢の方は自らを死に括りつけて後世に愚行と言われないよう色気を出してはどうか。
 もっとも自分の仕事について長期的に晒し上げられるよりは死を選ぶという潔くない向きもあるのかも知れないが。