ちいさないし

 ああ、シリコンバレーってShockleyの研究所の周りに出来たんだ。不覚にも今知ったわ。それで、まあ、トランジスタがどこまで小さく出来るかって話ですけど、去年当たりにベンゼン環1個+何だかの官能基で理論上は動作します、って論文を読んだ気がする。まあそうだろうな、でその時は読み流したが、グラフェンだよ、とか聞こえてきて、先週東北大の人がSi基板上にグラフェン薄膜を作製しました、
 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20080624/index.html
 という発表が出て、来たー、と思ったね。0.Xnm世代とかもあり得る。どうやって加工するのか知らんが。MEMSで一気にプローブを100万個くらい動かすような感じかな。そうすると、えーとダイサイズ100平方mmとして…3兆トランジスタは積めるな。すげえ。半導体産業は実に偉大だ。何だかんだいっても結局シリコンを代替する技術は来なかったな。ちょうど今の世代で構造が大分変わってるらしいけど。研究費が驚くほど投入されると大抵のことが出来るといういい例だ。あんまり類似する例もないが。
 何しろ今までどうやってグラフェンの単分子膜を作製してたかっていうと、黒鉛薄膜をセロテープみたいな奴に乗せて、両面を粘着面ではさんで、はがして、はさんで、はがしてを何十回か繰り返すとどこかにグラフェンがいるから、顕微鏡で見て、それを基盤に乗せてね、という何その小学生の工作的な手法だったらしいからね。いや、実際は技能が必要だってことは分かってますけど。もうね。やねうさんのところ久しぶりに読んでたら、
 http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080320#p1
 コンピュータ将棋がやばい、って言ってんの。何ぞやと思ったらチップの演算能力が順当に伸びていって、ソフトウェア的な進捗なしにトップを負かしかねないんじゃね、って書いてあんの。Deep Blueから11年も経った。強いAIは未だ実現していないらしいけど、きっと今の人達がグーグルを驚かないように、ヒトと同等以上の問題認識能力、まあ学習能力といっても最適化能力といってもいいのだと思うが、その手の計算機械が一般化しても我々は最初にちょっと驚くだけでそれを使い続けるんだろうな。
 最適化の話は脇のLinksの一番上にある最上さんの所へ読みにいくといいよ。理研の本職の人だよ。