新しい道具

 暑い夏を過ごしていたら周辺諸国の株が暴落したり戦争が始まって一区切りついたりLHCの稼動が延期されたり首相が政権を投げ出したりしていましたが私は元気です。
 さて、新しいハードウェアが新しいサービスをもたらす事は必然でしょうが、そろそろインターフェイスも平面と鍵盤と鼠から進歩しそうな感じですね。鍵は緑色半導体レーザーですか。
 眼鏡が普及すればその次はやはり侵襲式のBMIが来るでしょう。なんといっても帯域が違う。今のそれは金属製の微細電極ですが、きっと20年後のそれはタンパク質やらの生体適合性の導電性物質で構成された光/電子回路で、露出している端子は多分光で入出力するから脳を電気的に焼かれる心配も減ります。まあ見てきたように言いますけど。形状は一見薄い膜だけど実際は繊維状のものの集合体で、鼻から脳室に注入するんですよ。それで時間をかけて軟膜とクモ膜の間に展開して自己の位置を相互に認識しながら機能し、電力は血管から掠め取ります。何か頭蓋ジャックとは別の意味で危険な気がしてきた。
 まあ多色標識してそれぞれに特異的な脳炎ウイルスみたいなものでどうたらという方法もありえますが、どうなんでしょうか。
 ともかく、このような神経工学的手段の準備によって、人類がいかに要素において等質で、総体において多様であるかという理解が深まり、長期の教育抜きで所望の人材を調達できる/になり得る環境が整って、労働市場が新たな局面を迎えることは既にわかっているのです。